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研究プログラム

平和の概念と定義

平和がどのように定義されているかを、研究の証拠基盤として集める

プログラムの内容

国際連合の第一の目的が「国際の平和及び安全を維持すること」であることは、国際連合憲章が定めている。持続可能な開発のための2030アジェンダは、平和で公正かつ包摂的な社会について述べている。総会決議70/262及び安全保障理事会決議2282 (2016)は、平和の持続(sustaining peace)について述べている。2016年に総会が採択したDeclaration on the Right to Peace(平和への権利宣言)は、「すべての人は平和を享受する権利を有する」(非公式訳)と述べている。これらの文書はいずれも、平和を定義していない。研究文献においては、Boulanger Martelらが2024年に公表したレビューが、1969年から2022年までに公表された文献の中に61の平和概念を数えた。これらの定義は重なり合うが、同一ではない。そして、「平和」という言葉が用いられるとき、それらが共有するものも、相違する点と同様に、明示されることはまれである。

平和の概念と定義プログラムは、本研究所の証拠基盤を構築する。情報源ごとに、平和がどのように定義され、用いられているかを集め、各定義を比較可能な形で記録する。その結果得られるデータセットは、他の3つのプログラムの出発点となる。平和のための共通基盤プログラムはそこに共有される要素を探り、平和の測定と指標プログラムはそれらの要素を指標へと具体化し、法・政策・制度における平和プログラムはそれらが法及び政策にとって何を意味するかを検討する。

本プログラムの現在の活動は、研究文献のレビューである。

  • 研究文献。61の平和定義に関するレビューは、Boulanger Martelら(2024年)が特定した61の平和概念が、117の情報源においてどのように定義されているかについての体系的レビューである。その登録簿には149件の記録が収められており、2026年3月にそれぞれの情報源と照合された。3名の研究研修生が、各記録を独立にコード化している。

成果物

  • 会議論文。「When Peace Fails Definition: Typologies Under Scientific Scrutiny」。Concerned Philosophers for Peaceの会議において発表。2025年10月。
  • データセット。61の平和定義に関するレビューの登録簿であり、117の情報源から得た61の平和概念に関する149件の記録を収める。レビューが公表されるまでは公開されない。
  • 61の平和定義に関するレビューの結果を報告する研究論文。作成中。

プログラムの位置付け

5つの研究プログラムは、一つの連なりを成している。最初の3つが合わさって変化の理論を生み、5つ目がそれを適用する。

  1. 平和の概念と定義学術研究、法、政策及び実務において平和がどのように定義され、用いられているかを集める。目指す成果は、これらの定義の体系的な記録であり、後続のプログラムの証拠基盤となる。
  2. 平和のための共通基盤それらの定義を比較し、明示されないまま置かれている前提を含め、共通するものを見いだす。目指す成果は、検証と批判に耐えるほど精確な、その共通基盤の記述である。
  3. 平和の測定と指標平和を実際にどのように観察し、測定できるかを、個人の内面、人と人との間及び集団と集団との間について明らかにする。目指す成果は、データに照らして検証できる平和の指標群である。
  4. 世界平和のための変化の理論定義、その共通基盤及びその指標をまとめ上げる。目指す成果は、議論の出発点として提示される、世界平和のための包括的な変化の理論である。
  5. 法・政策・制度における平和変化の理論を法、政策及び制度に適用する。目指す成果は、それらがどの程度これに沿っているか、またどの程度平和又は暴力を生み出しているかの評価である。