プログラムの内容
持続可能な開発のための2030アジェンダの目標16は、加盟国に「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進」することを約束させ、ターゲット16.1は「あらゆる場所において、全ての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる」ことを約束させている。国際連合の外では、Institute for Economics & Peaceの世界平和度指数(Global Peace Index)のような指数が、各国の平和度を追跡している。その2026年版は、世界の平和度が12年連続で悪化したと報告している。いずれの測定も、明示されているか暗黙のものかを問わず、平和の一つの定義に基づいており、その定義はそれぞれ異なる。測定は、それが数える定義以上に明確にはなり得ない。
平和の測定と指標プログラムは、平和のための共通基盤プログラムが明らかにした共通基盤の上に築かれる。その共通基盤を、データに照らして検証できる指標へと具体化し、既に用いられている測定をそれと比較することに取り組む。本研究所の2026年の論文は、定義を測定可能な形で示し、指標の例を提示しているが、それらは「経験的な検証を要する」(非公式訳)と述べている。本プログラムは、その作業を行う場である。その指標は、世界平和のための変化の理論プログラムに引き継がれる。
平和という言葉は、多くのレベルで用いられる。個人の内面における心の平和を意味することもあれば、国家間の平和を意味することもある。本プログラムは、2026年の論文で示された平和の説明、すなわちthe Sovereignty of Sentienceを、これらのレベルに一つずつ適用する。そのうち、この作業が最大の効果を持ち得る3つのレベル、すなわち個人の内面(個人内)、人と人との間(対人)及び集団と集団との間(集団間)を選んでいる。それぞれについて論文を作成中である。各論文は、そのレベルにおいて平和がどの程度保たれているかを示すために、何を観察し、測定できるかを問う。これらの論文は合わせて、この説明が平和と暴力を定義する一貫した方法であるだけでなく、測定可能な指標を生み出すがゆえに有用な方法でもあるかどうかを検証する。これらは、ある場所は「人口全体を平均するだけで平和であると判断することはできない」(非公式訳)とする2026年の論文の立場に従っている。
成果物
- 個人内レベル(個人の内面)、対人レベル(人と人との間)及び集団間レベル(国家を含む集団と集団との間)における平和と、それぞれの規模においてそれをどのように測定し得るかに関する3本の研究論文。作成中。
プログラムの位置付け
5つの研究プログラムは、一つの連なりを成している。最初の3つが合わさって変化の理論を生み、5つ目がそれを適用する。
- 平和の概念と定義学術研究、法、政策及び実務において平和がどのように定義され、用いられているかを集める。目指す成果は、これらの定義の体系的な記録であり、後続のプログラムの証拠基盤となる。
- 平和のための共通基盤それらの定義を比較し、明示されないまま置かれている前提を含め、共通するものを見いだす。目指す成果は、検証と批判に耐えるほど精確な、その共通基盤の記述である。
- 平和の測定と指標平和を実際にどのように観察し、測定できるかを、個人の内面、人と人との間及び集団と集団との間について明らかにする。目指す成果は、データに照らして検証できる平和の指標群である。
- 世界平和のための変化の理論定義、その共通基盤及びその指標をまとめ上げる。目指す成果は、議論の出発点として提示される、世界平和のための包括的な変化の理論である。
- 法・政策・制度における平和変化の理論を法、政策及び制度に適用する。目指す成果は、それらがどの程度これに沿っているか、またどの程度平和又は暴力を生み出しているかの評価である。
